=視線の先=








 さて、時々不思議な現象が起こる。

 それは家でゲームしてるときだったり、学校で山本たちと話してるときだったり、寝る直前とか。
 最初はええっ!?って感じで怖気づいてたけど、今はもう気にしなくなった。
 でもあまりにも頻繁に見えるから、思い切って破天荒な家庭教師に聞いてみる。

「ねえ、ボンゴレの”超直感”って霊感もあったりするの?」

 あ、ものすごい俺のこと胡乱げな目で見てる。(この辺の表情の違いが皆にはよく分からないらしい)案の定、何言ってんだダメツナ、と檄を飛ばされた。
「そんなもんに超直感の血を使うなよ」
「いやいや、使おうと思って使えるもんじゃないし」
「そもそもその質問の元はなんだ?」

 そう、元がね……。
 言うか言うまいか迷ったが、結局リボーンには何も言わなかった。
 なんとなく言ってはいけない気がしたので。
 その内愛銃を持ち出して脅されかねなかったので、自室を出てリビングへと避難した。

 だって、多分、言っちゃいけない気がするんだ。

 その人は時々俺の前に現れる。
 黒のスーツに黒のネクタイ、黒い帽子に真っ黒な目。
 全部黒尽くめで色白なわけじゃないのに、やたら肌が白く見えるせいか、ちょっと寂しそうな雰囲気がする。
 いつだって遠くを見てるのに、俺が呼んだらこっちを向くんだ。
「ねえ、リボーン」
 そしたら、何だツナ、ってこっち向いて、そしたらその人は消える。
 消えたその場に居るのはとっても見慣れた赤ん坊。

 だから聞いてみようと思ったのに、でも聞いちゃいけない気もするから、あえてリボーンには言わなかった。

 別段、自分の生活に支障はないから良いかと思う。
 ただ知る事が出来るのであれば、彼が一体どこを見つめ続けているのか、聞いてみたいと思ったのだ。

 その視線の先が、いつだって真っ青な大空であればいいと思う。




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即興SSS。
いや、ねたはずっと前から持ってました。私のツナリボはまずこのマイ設定ありきなんです。
本当は子供じゃないかもしれないんだけどずっと子供の姿してるから、本当の(大人の)姿がボンゴレの血を引いてるツナには見えたりしないかな〜? っていう発想から。
だから箱芭の中でのアルコバレーノはいつだって年齢不詳なんです。